こんにちは、森の8カテン店長の家守(ヤモリ)大輔です。
1972年に倉敷市児島で生まれて、今もここに住んでいます。
簡単に自己紹介をさせてください。
学生時代には
小学校のころに熱中したのが、シャーロックホームズやルパン三世、そして明智小五郎と少年探偵団に怪人二十面相などの、探偵怪盗もの小説。
当時のヒーローはシャーロックホームズでした。
中学、高校ではロックバンドに夢中になり友人たちとバンドを組んでギターを弾いていました。当時は空前のバンドブーム。
大学に入ったら東京でバンドがやりたい、との想いを胸に上京すると同時にバンドブームも終息を迎えます。
そこで、なんのためらいもなくギターを捨てて、次のブームとなっていたクラブDJに熱中。
夜な夜なレコードを回していました。
それと同時に大学時代の3年間、イタリア料理店の厨房でアルバイト。
徐々に料理も作らせてもらえるようになると、イタリア料理の魅力にも夢中になります。
音楽と料理づけの毎日。
勉強は・・・勉強は・・・・
ともあれ無事に大学を卒業すると、繊維商社に営業として就職します。
rolcaの立ち上げ
最初の就職先事は繊維総合商社。
都内のいろいろなアパレルメーカーにテキスタイルを販売するのが僕の仕事でした。
もともと洋服も好きだったので楽しい仕事でしたし、テキスタイルの奥深さや魅力に夢中になっていきました。
その後、倉敷に戻り、父親の経営する縫製工場の会社に入社します。
倉敷は古くからの繊維の産地。
地元では同級生など友人も繊維関係の仕事をしている人が多くいます。
散歩していける範囲の距離に生地屋さんから縫製工場、ボタンなどの付属屋さんなどがあり、洋服づくりには最適な環境です。
僕も妻もリネンなどの天然素材の服が好きだということもあり、妻と一緒に自分たちの好きな服をつくろうとオリジナルブランド「rolca」のプロジェクトを始動させる事業部を社内でつくりました。
会社の縫製工場としての技術力と周囲の協力もあり、洋服をつくることはそれほど困難ではありませんでしたが、販売に関して完全に素人。卸先を探すのに苦労していました。
そんな中、rolcaが人気雑誌「ナチュリラ」の「アトリエ訪問」というコーナーで取材を受け掲載されるという事件が起こります。
偶然rolcaのシャツを買ってくれた雑誌の編集長が、気に入ってくれたのがきっかけでした。
この偶然が、その後のrolcaの運命を変えることになります。
今でも、「ナチュリラ」を発行している主婦と生活社様には、足を向けて寝ることが出来ませんよ、本当に。
人気雑誌で取り上げられたことで、お客様からの問い合わせも増え、卸先も一気に広がります。
市場で巻き起こったナチュラルブームも追い風になりました。
わざわざ倉敷まで取材に来ていただく雑誌も増え、それと同時に百貨店さんからの出店の要請も来るようになりました。
それで、さすがにですね、気付くわけですよ、これはブームだ、必ず終わるって。
でも、ブームが去っても自然素材の服が好きな人は必ずいて、良いものをつくり続けていれば必ず残れると思っていました。
それは今も変わっていません。
ただ、ブームが終わるまでに足場を固めなければと必死でした。
百貨店を中心に東京、名古屋、大阪に出店をしていきます。
そんな中、ナチュラルブームは見事に終わりました。
思っていたよりも早く、思っていたよりも急激に。
ブームの終焉
ブームの終了後は、仲良くさせていただいていた他のブランドさんたちも苦戦の中、方向転換を余儀なくされていました。
もちろんrolcaも同様でした。
ファッションなので当然トレンドは重要です。
お付き合いしていただいていた百貨店さんからも、ブランドのテイスト修正を求める声。
ビジネスなのでこれも当然です。
自分が上質な天然素材に固執し過ぎていて、市場との溝が出来ているのではないか?
頭を悩ませる時期が続きました。
結局、3店舗とも閉店することになりました。
そんな時に励みになったのがオンラインショップでのお客様からのメッセージでした。
「rolcaに出会ってから毎日が心地良く過ごせるようになりました。」
「毎日何かしらrolcaのものを身に着けています。」
「私の毎日を応援してくれてありがとう。」
などのお便りやメールは思わず涙が出てしまうほど嬉しいです。
今でも仕事で落ち込んだ時はこれらの言葉を励みに頑張っています。
パリへ
そんな中、日頃から仲良くさせていただいているフリーランスのデザイナーSさん(男性)と一緒にフランスのパリに行く機会がありました。
まるっと1週間の滞在でした。
Sさんはパリ大好きで長年毎年行っています。それで、一緒に行かないかと誘ってもらえたのです。
ファッションの街パリに何かヒントがあるかもと思い同行することに。
そこで、Sさんのおすすめのセレクトショップに行った時のことです。
そのお店には、ちょっとしたカフェスペースがあり白ワインとチーズを頼みました。
チーズには蜂蜜がかかっています。チーズの塩気と蜂蜜の自然な甘みが絶妙ですごく美味い。
しかも、聞いてみるとオーナーさんのパリ郊外にある自宅でミツバチを飼っていて、この蜂蜜はそこで採れたものだそうです。
そりゃ、美味しいに決まってるでしょ!
都市養蜂は最近日本でも聞かれるようになりましたが、パリでは盛んでオペラ座の屋上にも巣箱が置かれています。
パリの街中には花が多いのも理由の1つでしょうか。
お店のオーナーさんは体に馴染んだきれいな色のリネンのシャツをさらりと着こなす素敵なパリジェンヌ。スタッフさんたちも同様です。
お店で使っているリネンの使い込んだリネンのエプロンやキッチンクロス。
ファッションやトレンドだけじゃなく暮らしの中にお気に入りを集めていくような、スタイルのあるお店。
こんなお店が日本でも出来るはずだと興奮して帰国しました。
お客様にもきっと喜んでもらえるはずだと確信してきました。
ブームが去っても自然素材の洋服のファンの方は多くいます。
オンラインショップのお客様や卸先様にも恵まれrolcaの売り上げも回復していきます。
その後もパリでのことがずっと頭から離れず、会社の空きスペースを利用してコンセプトショップをつくることを計画。
色んなタイミングが重なりしていたイタリア料理のシェフ夫婦のトラットリア「ボーノウーノ」にも入店していただくことに。
森の8カテンの始まりです。
森の8カテン
森の8カテン(もりのはちかてん)は自然に寄り添う暮らしをテーマにしたコンセプトショップです。
百貨店ほどたくさんの商品は無いけれど、その分厳選した上質な商品を集めたいという意味で8カテンと名付けました。
rolcaの洋服はもちろん、オリジナルでつくったリネンのエプロンやキッチン雑貨、はちみつ等の自然な味わいが楽しめる食品も販売しています。
おかげさまで、オープン時より多くのテレビや雑誌に取材いただき、お客様にも喜んでいただいています。
そして、もちろん森の8カテンの裏庭にはミツバチの巣箱が。
オンラインショップでも商品の販売と共に森の8カテンでの様々な出来事をお伝え出来たらと思っています。
小学校の時のヒーローだったシャーロックホームズも晩年には養蜂家として暮らしていたそうですしね。
基本だよ、ワトスン君