このエントリーをはてなブックマークに追加

砂の降る教室

FAlHq0UVUAUcYUT

庭にランタナの花が自生していました。

かわいい花を咲かせていますが、ランタナの実の中の種は強い毒をもっているそうです。

しかも、その実はどうやら甘いということ。

毒をもつ植物というと、まず思いつくのが毒キノコ。

この場合は見た目からして毒々しいものが多そうです。

「俺を食べるんじゃないぞ」と威嚇しているような見た目をしています。

自分の身を守るために毒をもっているのではないでしょうか?

では、ランタナの場合はというと、鳥たちは毒のことを知っていて、ランタナの実を食べた後、上手に種は食べずに地面に落とすそうです。

こうして、ランタナは自身を繁殖させているわけですね。

いずれにしても、みなさんすごい智慧です。

 

茸(きのこ)たちの月見の宴に招かれぬほのかに毒を持つものとして

石川美南 歌集『砂の降る教室』より

IMG_3168

石川美南さんは僕の特に好きな歌人です。

この短歌は童話や絵本のような風景。

キノコたちにお月見に招かれた。その理由は毒をもつ仲間だから、とういもの。

コミカルなファンタジーですが、ちょっと怖いような気もします。

人間も同様に毒をもっているということでしょうか。

このあとに、こんな短歌が続きます。

 

迷ひたる賢治に道を教へきと大法螺吹きの万年茸は

なにがあつたかわからないけど樅茸(もみたけ)がいぢけて傘をつぼめてゐたよ

石川美南

 

月見の宴での情景でしょう。

賢治は宮沢賢治でしょうか?  万年茸、万年というだけあって、そんなに長生きなのか!! そして、うそつき。

樅茸、かわいいですね。

 

短歌というと実際の出来事を日記のようにつづっていくイメージを持っている方も多いかもしれません。

石川美南さんのようなファンタジーを短歌にしている歌人さんもいらっしゃいます。

中々、奥が深いものです。

 

 

 

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2021年10月1日  by rolca_story_admin

関連する記事