庭にランタナの花が自生していました。
かわいい花を咲かせていますが、ランタナの実の中の種は強い毒をもっているそうです。
しかも、その実はどうやら甘いということ。
毒をもつ植物というと、まず思いつくのが毒キノコ。
この場合は見た目からして毒々しいものが多そうです。
「俺を食べるんじゃないぞ」と威嚇しているような見た目をしています。
自分の身を守るために毒をもっているのではないでしょうか?
では、ランタナの場合はというと、鳥たちは毒のことを知っていて、ランタナの実を食べた後、上手に種は食べずに地面に落とすそうです。
こうして、ランタナは自身を繁殖させているわけですね。
いずれにしても、みなさんすごい智慧です。
茸(きのこ)たちの月見の宴に招かれぬほのかに毒を持つものとして
石川美南 歌集『砂の降る教室』より
石川美南さんは僕の特に好きな歌人です。
この短歌は童話や絵本のような風景。
キノコたちにお月見に招かれた。その理由は毒をもつ仲間だから、とういもの。
コミカルなファンタジーですが、ちょっと怖いような気もします。
人間も同様に毒をもっているということでしょうか。
このあとに、こんな短歌が続きます。
迷ひたる賢治に道を教へきと大法螺吹きの万年茸は
なにがあつたかわからないけど樅茸(もみたけ)がいぢけて傘をつぼめてゐたよ
石川美南
月見の宴での情景でしょう。
賢治は宮沢賢治でしょうか? 万年茸、万年というだけあって、そんなに長生きなのか!! そして、うそつき。
樅茸、かわいいですね。
短歌というと実際の出来事を日記のようにつづっていくイメージを持っている方も多いかもしれません。
石川美南さんのようなファンタジーを短歌にしている歌人さんもいらっしゃいます。
中々、奥が深いものです。