3月に公開になるアニメ映画「ひるね姫」。
rolcaのある倉敷市が舞台になっているらしく、最近になって町中で映画のポスターをよく見かけます。
いつもならアニメ映画はジブリか子供の付添以外はほとんど見ませんが、よく知った場所が描かれているだけに楽しみにしています。
その映画の中でもメインの場所となっているのが下津井だそうです。
#8 下津井 「ブラヤモリ」
児島の南に位置する鷲羽山、下津井はこの山を瀬戸内海に向かって超えたところにある港町です。
いわゆる漁師町で特にタコ漁が有名、シーズンになると通り沿いにタコを干しているのがなんとも風情をそそります。
瀬戸内海の穏やかな海に船が浮かんでいる長閑な風景がサヴタージなこの下津井。
その海沿いの通りから細い路地を中に入って行くと出現するのが「吹上美術館」。
吹上美術館
2015年に開館した地元のアーティストさんたちで運営しているユルい感じの美術館です。いい意味です。
1階に続き2階も展示スペースになっています。
今回はここの新年会があるということで参加してきました。
新年会に先だって吹上美術館の運営をしている一般社団法人クリエイターズラウンジの代表、片山康之さんのトークがありました。
その前に、自身もアーティストである片山康之さんの作品がこちら。
1階に展示してありました。
片山さんトークで特に面白かったのが、ざっくり美術史観。
美術の成り立ちから現代美術に至るまでの片山的美術史観は結構目からうろこの部分もあり、僕が現代美術ってなんだか苦手と思ってしまうのもそういった所以かと感じ入って聞いておりました。 すみません。
そのあとに続いて話されたのが吹上美術館の今後について。
えっ。
えーーーっ。
これまだ公表しないでねということになっていますので、ここではまだ書けませんがこの辺りも色々と面白くなっていく予感がしてきました。
隣の高台にあるお寺から6時を知らせる鐘が町に鳴り響いた頃、新年会のスタートです。
会場は1階の展示室。片山さんの作品の前にテーブルを並べて料理が運びかまれるといった、何ともファンタスティックなシチュエーション。
鍋はアヒージョ。牡蠣。おでん。
やっぱりユルさが魅力の美術館です。
江戸時代の下津井
江戸時代には貿易船の北前船が寄港したことから栄えていたらしく、廻船問屋や遊郭も軒を連ねていたそう。
今でもその名残を残している場所もあります。
この「まだかな橋跡」と書かれた石碑もそうで、名前の通り江戸時代には海沿いのこの場所にあった「まだかな橋」と呼ばれた橋の跡地。
北前船が寄港するのを待つ人々が、「まだかな、まだかな」と心待ちにしてこの橋に集まってきていたところから名づけられたという微笑ましい逸話ですが、石碑の隣に建っている説明文をよく読むと、実は「まだかな、まだかな」と言っていたのは遊郭の女性だったというオチ。
待っていたのは船の積み荷ではなかったのね、という艶っぽい伝説をもつ町でもありんす。