8月はこのblogをお休みしてしまっていました。いけませんね。
気を取り直して、今日はこんなコミカルな歌を。
ふつふつとホットケーキを焼くように始まりの日の宇宙を神は
ユキノ進 歌集『冒険者たち』より
神話ではこの世界をつくったのは神様ということになっています。
本当にそうなのかもしれないし、わかりません。
いずれにしても壮大な景色がうかびます。
その景色を、この歌では「ホットケーキを焼くように」と表現しています。
まるでハミングでもしていそうな、甘い香りがただよってそうな、そのギャップが面白い歌ですね。
「ふつふつ」というオノマトペも湧き上がってくるような楽しさがあります。
フライパンのつやつやとした黒色も宇宙を感じさせる効果がありますよね。
幸せの意味を問いつつキッチンで鳥だったものを解凍している
こちらも同じ歌人ユキノさんの、おなじくキッチンでの歌。
冷凍された鶏肉は確かに「鳥だったもの」なのですが、改めて言われると怖い気がします。
ドキリとするような歌でした。