私たちにとって、とても身近な素材であるウールですが、不思議な特徴がたくさんあるのをご存じでしょうか?今回は、ウールがもつ性質の秘密や魅力について探ってみましょう。
ウールの歴史をたどる
人類にとってウールの歴史はとても古く、衣服に使用されるようになったのは数千年も前のこと。
紀元前6,000年頃から牧羊が始まったとされ、刈り取った羊毛で初めて毛織物を作ったのが、紀元前2,200年頃といわれています。
ウールとは一般的にメリノ種の羊の毛
ウールは、羊の毛で作られた動物繊維。羊の種類は約3,000種もあり、そのなかでもウールといわれているものは一般的にメリノ種の毛のこと。日本に輸入されているウールも約80%は、メリノ種となっています。
ウールの特徴
ウールがもつ性質には、不思議がいっぱい。ウールの魅力を詳しくご紹介しましょう。
冬は暖かく、夏は涼しい
ウールが暖かいのは、羊毛繊維のクリンプ(縮れ)がたくさん空気を含んでいるからです。糸そのものの中にたくさん空気を含むウールは、熱伝導率がとても低いのが特徴。
空気によってできた厚い層が冬は冷たい外気をシャットアウト、夏は暑い外気の影響を受けにくくなっています。そのためウールは夏は涼しく、寒い冬は体温を逃さない快適な素材といえるでしょう。
撥水性・吸湿性のよさ
ウールの表面はうろこのような鱗片で覆われていて、水を弾く撥水性があります。吸湿性も高いので、ジメジメと湿度の高い日本の気候にもおすすめの素材です。
燃えにくい
もちろん火を近づけると燃えてしまいますが、火を遠ざけると焦げた小さな玉ができて、燃え止まるという特徴があります。
合成繊維などのように、燃え続けることはありません。ウールの燃えにくい性質を利用して、航空機のインテリアやカーペット、消防服、カーレーサーのインナーなど幅広く使用されています。
汚れにくいから経済的
ウールは少しの水滴であれば、弾くことが可能。「水を弾く」という特徴は、雨や水滴、泥などの水溶性の汚れを弾くので汚れがつきにくいことにもつながります。
また、吸湿性のよさは静電気による汚れの付着を抑えてくれるのです。 汚れにくいウールは、着用のたびにクリーニングに出す必要はありません。クリーンな繊維でもあり、経済的ともいえるでしょう。
弾性が高く型くずれしにくい
ウールはバネのように、元の状態まで戻るというすぐれた回復力と弾力性をもっています。そのため、シワにもなりにくく型くずれしにくいのが特徴。
さまざまな種類の糸を作ることができる
ウールには繊維同士が絡まりやすい性質があるので、さまざまな種類の糸を作り出すことができます。
例えば甘くひねられたウールの糸は、空気をたっぷり含ませ保温・断熱性を高められ、反対に強くひねられた糸なら空気を含ませず、通気性のよい生地を作ることができます。
魅力あふれる特徴をもつウール
すぐれた性質から「天然繊維の王様」と呼ばれることもあるウールは、化学繊維にはない魅力あふれる特徴ばかり。ウールは、さまざまなアイテムをつくるうえで欠かすことのできない素晴らしい素材といえるでしょう。
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