春夏のシーズンに涼しく着こなしたいリネン素材の衣類を、家で洗濯するときのポイントについてご案内します。リネン素材の性質を考えた正しいお手入れ方法で、その爽やかな着心地を長く楽しみましょう。
リネンの洗濯はむずかしい?
通気性が良く、熱気がこもらないリネンは春夏に活躍シーンの多くなる素材です。また、ほのかな透明感とハリのある独特の風合いが、見た目にも涼やか。
天然繊維の中で最も耐久性に優れており、基本的に家で洗濯できます。そのため汗ばむ季節は積極的に着まわしたい素材の一つです。
一方で「リネンの洗濯はむずかしい」というイメージから敬遠されがちです。しかし、リネン特有の性質を理解し、ちょっと気をつけてあげればリネンの洗濯はそれ程、難しいことではないのです。
縮みやすい
リネンは天然植物の繊維からつくられているので、どうしても縮みやすいという性質があります。洗濯方法にもよりますが、およそ5%~10%縮むことがあるようです。
でもこの縮むという性質は、洗濯をくり返すうちに目がつまっていき、より丈夫でしっかりとした風合いになっていくというメリットでもあるのです。
洗濯時の縮みをおさえるには
リネンの縮みをできるだけおさえるためには、
- 洗濯ネットに入れる。
- デリケート衣類専用の洗剤を使う。
- 水流は弱めで。手洗いなら擦らず押し洗い。
- 脱水は短く。
- タンブラー乾燥は避ける。
といったポイントを守り優しく丁寧に洗ってあげましょう。
また購入する際には、あらかじめ収縮率を考慮に入れて、ゆったりめのサイズを選ぶのも一つの方法です。更に最近では、縫製前の生地を水通ししておくなど、縮ませないための加工を施した製品もあり、お手入れがより簡単になっています。
しわになりやすい
繊維にハリがあるため、しわになりやすいというのもリネンの特徴。しかしこの特徴こそ、リネンに独特の表情を与えている魅力の一つともいえます。
洗濯時のしわをおさえるには
基本的なポイントは、縮みをおさえる洗濯方法と同じですが、特に注意したいのが脱水です。脱水時間はできるだけ短く、長くても20~30秒程度で止め、すぐに取り出しましょう。
できれば脱水はまったくかけず、バスタオルなどに挟んで、軽く押さえながら水気を取るのがおすすめです。リネンは乾きやすいので、水がしたたるほど濡れたままで干しても大丈夫です。
なおアイロンについては、スチーム機能ではしわはほとんどとれませんので、霧吹きでしっかり湿らせるか、半乾きのときにかけましょう。
色あせしやすい
リネンは、洗ったときに色あせしやすい繊維です。これはリネンの繊維に色素が入り込みにくく、染まりにくいという性質のためです。反面、汚れも浸み込みにくく落としやすいという長所にもなります。
洗濯時の色あせをおさえるには
蛍光剤や漂白成分の入っていない、デリケート衣類専用の洗剤を使いましょう。摩擦による色落ちをおさえるため、洗濯ネットに入れることもお忘れなく。
濃い色のリネン製品の場合は、始めのうちは洗濯のたびに色落ちをくり返すため、落ち着くまでは単独で洗うようにして下さい。。また日光も色あせの原因となることがあるので、風通しの良い場所での日陰干しがおすすめです。
洗濯するほどなじんでいくリネン
洗濯の仕方によっては、困りごとにもなりがちな性質をもつリネン素材ですが、見方を変えればそれは「使い込むほどなじんむ」という、リネンならではの魅力でもあります。
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